名刺本2冊
名刺がすき。
ちいさいスペースに必要な情報を盛り込んでいく、悲しくなるほど狭い紙面の中に広い空間を作り出す、そんな箱庭の思想に近い概念。日本人的にはぴったりな作業なのかも。
名刺デザインの仕事は好きなのだけど校正がほんとうに大変。何度チェックしても赤が入ってきて永遠に責了しないんじゃないかと思えてくる。
僕が持っている「名刺本」は2冊あります。
名刺ワールド -Nice to meet you-
判型はちっちゃいけどツカが相当あります。3cmの厚み。カードをデザインしたデザイナーが自ら撮影した写真がメインで、名刺のデザイン集というより名刺が写っているシチュエーション写真集、という体裁です。
テキストは最低限の字数(英語)しかなく、しかもあまりたいしたことは書いてありません。そこが残念。
もう一冊は「成功する名刺デザイン」。これはデザイン本ではなくてどちらかというと読み物系の本です。
いままで約1000人の名刺をデザインしてきた長友啓典氏にとって、名刺作りの奥義は「気合い」と「念」なんだそう。掲載されている名刺のデザインはどれもライブ感というか、人相的な気配が漂っています。ほかに佐藤可士和さん、永井一正さん、岡本一宣さん、それぞれの名刺話がちょっとだけ入ってたり。そんな読みもの。