なぜデザインなのか。
この週末に読んだ本。「なぜデザインなのか。」
フォーマットとしては対談本、ということになっているが、これは紛れもなく読みやすさのための採用された方策(デザイン)なのでしょう。
対談フォーマットとは思えない文章の緻密さ、言葉の精密さ。そして編集された文字組の巧みさ。語り言葉でこんなに精緻な文章を話すことはできるはずない。
つまり内容の濃い本を読みやすく軽やかにするために採られた編集スタイルが対談形式という形になっただけで、聞き手の相づちがこれほどまでに読みやすくなるという新鮮な発見。編集者のとてつもない力量がうかがい知れます。
- 作者: 原 研哉/阿部 雅世
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/10/02
- メディア: ハードカバー
「話題が展開するごとに、たくさんのはてなマークが、頭の中にきのこのように生え、それをひとつずつ検証することで発見したことも多く、今までに体験したことがないほど、消化に時間がかかる。そんなフルコースの対談だった-。」
…と後書きで阿部雅世氏が語っているように、読者が同じ対談の追体験をしたような気分を代弁していて、さらっと素通りできない言葉がぎっしり詰まっています。
デザイン領域の定義をその道の専門家が歴史や、他国文化、教育と対比させて語ることはよくあるけれど、この本の後半で話題になる経済発展の是非とデザイン論を対比させて語るくだりはちょっと興ざめ。
利益優先な考えに疑問を投げかけるために「ベンチャー系の若いオーナー」は「文化に対する責任感が希薄です。」なんて例えていては、話がかえってうすっぺらくなってしまうものです。
それはさておき、蛍光ペン片手にアンダーラインを沢山引きたくなる本であることは確か。もういちど読みたいからアンダーラインはガマンしましたけど。

