メイン

2006年12月31日

写真集の現在

タイトルに惹かれてひさしぶりに「STUDIO VOICE」を買う。
今月の特集は「写真集の現在」。創刊30周年記念特大号とかで、定番特集のさらに集大成特集といったところ。

Sv0701 220

実際に写真集を買おうと思ったら、自ら積極的に情報を仕入れ、売っている場所を探さないといけない。
ふつうの街の本屋で「何気なく気にいった写真集と出会う」ことは、もう現実的なことではないのだから。

70年代、80年代の写真集も発行遍歴をたどりながら、アーカイブ的目的で買ってはみたけど、インターネット/デジタル崩れしていない今や残り少ない領域である写真アートという世界がインターネットとどうつきあっていくか、を考えずにはいられない。
いまごろ何を…、という声もごもっとも。
オリジナルプリントや、丁寧に印刷された写真印刷がやっぱり好き。
真空管アンプが好きなオーディオファンが世間から受ける印象と同じ目で見られたとしても。

同じようにfotologueやFlickrも好き。
その間に見えない大きな壁があるのか?

ないと思う。

2006年12月28日

本の価値

人並みに仕事場の掃除をいつもより念入りにやっているうちに、とりあえずもう読みそうもない本が集まった。どれもビジネス系の新書、ハードカバー類だ。
エコバックに20冊ほど本を詰め込んで近くのBOOK-OFFへ。

近所にはBOOK-OFF、古本市場、ハードオフ、愛用市場など、セコハン激戦区。
店頭の駐車場には「お売りいただく方専用パークング」が店の入り口にいちばん近いところにあるぐらいだから、よっぽど仕入れ優先なのだろう。

BOOK-OFF

カウンターに本を預けて、番号札をもらって待つ間、店内をうろうろ…。
映画のDVDが意外に高いのにはびっくり。平均1600円〜2000円ほど。
新品がほぼ同じ価格でネット買えることを考えると申し訳ないけど買う気にはならないよ。

店内放送で番号を呼ばれるのかと思いきや、店内を探して「ご用意ができました。」と探しにきてくれた。番号じゃなくて人相を覚えているとは、なんだか大層な接客というか、そんなに売ってほしいわけ?

提示された金額は3千円ほど。予想よりもかなり高い。だって捨てようと思ってたのだし。
「この金額でよろしいでしょうか?」と質問してくるということは、交渉の余地もあるってことなのかな。粘ったらもっと買い取り金額はアップするのだろうか。

TSUTAYAとポイントカードが一本化するからもっとどんどん売りたくなってきた。

店内は明るくて清潔なのだけど、セコハンショップに特有の生活臭がちょっとだけ気になる。
人の家の玄関を上がった時に感じるその人の家独特の匂い。
新しい本の匂いは大好きだけど、本は人の手に渡ってその人と過ごすうちに、同じ匂いに同化していく。きれいに読んだとしても、匂いというマーキングは残るのだ。

2006年11月27日

本屋好きのKaBos

仕事の合間をぬって息抜きに近所にできた書店「KaBos」へ。
KaBosと言えば勝木書店なわけだが意外にも千葉県では初出店なのだそう。

新聞折り込みチラシによると、蔵書数が35万冊ということらしい。はたしてこの数字が多いのか少ないのかわからないけど、きっと多いのでしょうw。

実際の店舗を見た限りでは、そんなに広い店舗という感じはしなかった。
立地的にも「ららぽーと柏の葉」という入れ物的にも、いい意味でファミリーを意識した品揃え。

写真集や大型本のコーナーは、明らかに並び方が不自然。何も考えずに棚にいれただけという感じにちょっとがっかり。
蔵書を多くするために、棚と棚の間隔が狭いのもマイナス。
時間がなかったので、洋書コーナーはチェックできなかった。

すぐ隣のタリーズコーヒーとは隣接しているというより一体化しているのにも関わらず、店内にイスはないし、コーヒーを飲みながら本を読む、ということもできなさそう。


僕はこうしてデザイナーになった

僕はこうしてデザイナーになった

  • 作者: 立古 和智
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本

偶然に目についたこの本を取りあえず買っただけで、時間切れ。フードコートは落ち着いたソファもあったりしてゆっくりできそうな場所なので、あらためて来てみたい。

2006年11月18日

Webデザインノート No.1

デザインのメイキングマガジン「デザインノート」シリーズを出している誠文堂さんからWeb系の新しいMookが出ました。いままでの同シリーズは紙メディアや映像メディアがわりと中心だっただけに、うれしくて早速注文。


SEIBUNDO MOOK Webデザインノート No.1

SEIBUNDO MOOK Webデザインノート No.1

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2006/11/15
  • メディア: 大型本

巻頭はのインタビュー中村勇吾さん。表1の画像がまだ来ていないのは残念。
No.1ということは、これから季刊で発行されていくんでしょうね。

「デザインノート」シリーズは、写真が多い大型本です。CMの撮影現場やスタジオでのフォトセッション風景なんかを多用してましたが、Webの仕事場なんてそれと引きかえビジュアル的には面白くもなんともない。
この本はハウツーものの本ではないので、スクリーンショットを多く入れると技術書っぽくなるし。
インタビューや対談中心の読み物系を多くするのか。

どんな編集方針でいくのか、そのへんも楽しみ。

2006年09月06日

+81 vol.32 Graphic Design issue

今日買った本
「+81 vol.32 Graphic Design issue」


+81 vol.32 Graphic Design issue

+81 vol.32 Graphic Design issue

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/05/11
  • メディア: 大型本

グラフィックが中心。世界中のクリエイターを独自の視点で紹介する雑誌。「plus81」。
買ってから気づいたけど、このサイトでは本の中身を全部見ることができる。ときどき手がつかえてページをめくり損ねているとこなんか秀逸。
手で1ページづつめくっているだけなんだけどね。グラフィック本ならこの方法の方がAmazonの「なか見」よりわかりやすいかも。

紙面で紹介できなかったクリエイターのインタビューなど、Webコンテンツも充実。楽しめます。

2006年08月21日

プロとして恥ずかしくないスタイルシートの大原則

今日買って読んだ本。#007
全143ページ 4C 初版第1刷

インプレス/Mdnムックのこの「恥ずかしくない」シリーズもすっかり定着してきました。ムックだから基本的に書き下ろしの内容ではなく、ほとんどが雑誌からの流用、リライトものです。
内容的には、初心者向けかもしれないが、アタマから通読しなくてもほとんどの内容は見開き2ページの読み切り記事で構成されているのでちょっとした時間に目を通すのにちょうどよく、専門書と違って飽きがこないところが売れているポイントなのでしょう。
実はだいぶ前に買っておいてあったのだけど、ちょこっとしか読んでいなかった。いまあらためてよく見てみると、基礎的な概論から、デザイン例解説、コラム、Tips、Javascriptの基本、など、けっこうページ数の割に充実した内容で保存性が高い。


プロとして恥ずかしくないスタイルシートの大原則

プロとして恥ずかしくないスタイルシートの大原則

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: MdN
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: ムック

それにしても「恥ずかしくない」シリーズは、どうしてサンプルデータのダウンロードをやっていないのでしょうか。CD-ROMは要らないからダウンロードはぜひ検討してもらいたい。掲載されたサンプルコードの文字級数が小さすぎて、読みながら手入力は正直つらいと思うのだが…。

表紙のイメージはJPEG画像では再現できないような特色の蛍光オレンジ色で、長く凝視することは避けた方がいい。ネーミングが大胆なので電車の中や人前でこの本を読む勇気を、私は持ち合わせていない。

2006年08月15日

IDEA #318 : エドワード・フェラ

今日買って読んだ本。#006
全160ページ 4C/1C 雑誌
エドワード・フェラ(エドフェラ)の特集。彼の名前はタイポグラフィの特集記事で時々目にすることがあった。


idea (アイデア) 2006年 09月号 [雑誌]

idea (アイデア) 2006年 09月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2006/08/10
  • メディア: 雑誌

文字デザインというよりグラフィックデザインと言ってもいいほど彼は書き文字スタイルにこだわり続け、そして有名になった。「タイポグラフィック」とも呼ばれているのは、自主的に30年間にも渡って制作してきたフライヤーの数々で、紙面いっぱいに書き文字をあしらった作品たち。中には「これ、ただの下書きでは?」と思うようなものもあるが、乱暴に書いた(ように見える)ものほど、妙にぐっとくきてページをめくる手が止まってしまう。


都築響一さんの連載「デザイン豚よ木に登れ」もおもしろい。

2006年08月08日

デザインノート―デザインのメイキングマガジン (No.5)

今日買って読んだ本。#005
全130ページ 4C/1C ムック
ある仕事のデザインカンプ制作の参考資料として借りていたこの本。Amazonで改めて購入した。

アートディレクターが魅せる「写真」ディレクション

登場する人たちは、サイトウマコト、野田凪、永井一史、ワイデン+ケネディ+トウキョウ、有山達也、佐野研二郎、滝本幹也、米津智之。

デザインノート―デザインのメイキングマガジン (No.5)

デザインノート―デザインのメイキングマガジン (No.5)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: ムック

ほかにコラムとして寄藤文平さんや「失敗しないフォトディレクションの基礎固め」といった記事もある。充実した内容で見応えのある記事が多いが、デザイン系のムックという性格上ビジュアルがメイン。記事も丁寧に読んだけど、もう一つ突っ込みが欲しかった、というのが正直なところ。

米津智之さんの仕事ぶりと、彼と一緒に仕事をするカメラマン達のコメントは参考になこと多く、具体的なアイディアもさりげなく入っている。

「最近、広告写真が軽く扱われている」、と本の中であるカメラマンが指摘している。「広告制作を取り巻く環境が厳しくなって、時間も予算もクリエイティブの自由度も変わってきた。」その流れで「広告での写真に対する期待度が、グラフィックより低くなって」いると。
しかしそんな状況に悲観するのではなく、むしろ撮影サイドが写真の強い訴求力を逆にプロモーションしやすくなってきたと捉えることもできる。

2006年08月03日

図書館でさまよい徒労

カンプで使う写真を探している。
今朝からずっとストックフォトのサイトやカタログ、雑誌を探しているのに見つからない。割とフツーのイメージなのに。書類や文房具が置いてある机の真俯瞰な写真が欲しい。

そうだ、こういうときはカラダを使って探そう。

と思って図書館へ。雑誌や写真アート系の本にそれらしいイメージはきっとあるはず。
そう狙いをつけて、近所にある図書館3カ所を片っ端から攻めた。

でも徒労だった。

関係ない岡本一宣さんの本を借りてきちゃった。前から読みたかったんだ、この本。見はじめたら止まらなくなってさっきからずっとページをめくっている。ツカ(本の厚さ)が10cmもあるから読み応えばっちり。
そんなことしている場合じゃないんだけどな。


岡本一宣の東京デザイン

岡本一宣の東京デザイン

  • 作者: 岡本 一宣
  • 出版社/メーカー: 美術出版社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本

巻末の年譜や、他のひとが岡本一宣さんにあてたメッセージもおもしろい。ずっとそばに置いておきたくなる一冊だ。

2006年07月29日

Patterns In Design

今日買って読んだ本。#004
Patterns In Design Art And Architecture
Petra Schmidt
バックグラウンドと呼称するのは失礼だ。原題では「パターン」と呼んでいるが、それでも軽すぎる。和訳すると「模様」になってしまうし…。


Patterns In Design Art And Architecture

Patterns In Design Art And Architecture

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Birkhauser (Architectural)
  • 発売日: 2006/03/31
  • メディア: ハードカバー

この本にはさまざまなデザイナーが作成したパターンがおさめられている。そのパターンが施されているのは建築物や、家具、壁など本来主題になるべきものたち。

写真集というのは普通写真の中に主題がある。オブジェクト。しかし一方この本が扱っているのはパターンであり、目的としてそれ自体が本来主題にはなり得ない。
何かを制作する過程では、主題をどう扱うか、ということが大きなテーマなわけだが、それには主題以外のオブジェクトの扱いをどうするか、という課題とともに相関的に捉えていく必要がある。
「引き立て役」「飾り」そんな主従的な扱いをしていてはうまくいかない。

パターンだって十分オブジェクトになる、ということに気づかせてくれる一冊。