Ashes and Snow
貨物コンテナ建築が印象的な移動美術館「ノマディック美術館」で「Ashes and Snow」を見てきた。
回廊の幅がせまく、せっかくの大判プリントを引きで眺めることがむずかしい。
像よりも後半の鷹の一連のシリーズの方が印象的。しかし構図やシチュエーションに演出がないとはいえ、その「できすぎ感」が完璧すぎて鑑賞意欲がそがれてしまう。
館内は撮影禁止のはずのなのに、堂々と撮影する人のなんと多いことか。中にはフラッシュを焚く入場者もいて、ほとんどアトラクション化してしまっていた。
写真もさることながら、気になったのはプリント方法。
手漉き和紙にプリントされた荒い質感の紙は印画紙というより、カンバス地のようだ。デッサン画のような独特のモノクロ写真のテイストはほとんどこの和紙によってもたらされている。
カウンターでスタッフに尋ねてみると、実際の和紙のサンプルを触らせもらえた。
そしてもうひとつ、会場内で使われているカーテンのような趣のあるテクスチャ。これは、使用済み紅茶のティーバックをひとつひとつ開いてつなげていったものだとか。
写真や映像の中身よりもプリントの方ばかり鑑賞してくるなんて、我ながらひねくれてるよな。