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2006年10月27日

Apolloにwebkitが乗る

Apolloで採用されるHTMLレンダリングエンジンは、なんと! 「webkit」なんだそう。
ふつうに考えたら順当にOperaが使われるはずなのに、意外な選択。Safariユーザとしては、正直ちょっとうれしい。

プラグインベースのFlash PlayerやAdobe Readerでシェアと実装できることの上限がすでに見えているわけだから、Apollo計画はいってみれば当然の展開。
ただ、Adobe MAX 2006のレポートをみていると、ApolloはAdobeの製品群のなかでもっと中心的な役割を持ったアプリケーションなのかと思っていたら、デモの内容やプレゼンテーションの位置づけをみると、ちょっと違うのかもしれない。

2006年10月22日

分厚い旅行雑誌の方がいい

「AB-ROAD」が休刊してしまって、今後はネット上のサービスとして誌名と同じ「AB-ROAD」という名前のサイトでサービスを継続していくそうな。
機能一辺倒な検索インデックスサーチ機能だけじゃなくて、もっと曖昧に、旅に行きたい気分を盛り上げてくれるシカケが用意されている。
フォトサーチ
どれどれ、と、いろいろWebページを眺めてみたけど、どうもその「旅気分」が盛り上がらない。
「マッチョ旅」「お洒落フリーク」「一攫千金」など、工夫を凝らしたタグワードが並んでいるのだけど…。
使い方もガイドも親切で、サイト滞在時間が長くなるような工夫が随所に見られるのだけど…。
肝心な「心はすでに海外へ」な気分にはならない。

その理由はしばらくしてから気がついた。
写真に問題がある。

ご当地の写実的な風景写真を見ても、旅に行きたくはならないのです。
旅行に行って思い出に残ることって、風景や料理だけじゃないはず。無料でもらえる世界の観光名所カレンダー的な写真を見せられてもね。

そういえばずいぶん昔、AB-ROADの取材撮影に協力したことがあったっけ。編集プロダクションのカメラマン兼ライターさんと、雑誌編集の仕事の愚痴なんかの話でずいぶん盛り上がって、2日かかる撮影を1日で終わらせるために途中着替えたりしながらさぼりに協力したりしたこともあったなぁ。

ああ、雑誌の「AB-ROAD」が懐かしい。
海外の計画をするたびに、どうせたいして活用しないのを知りながら記念に、と必ず「AB-ROAD」を買っていた。旅行代理店ごとに同じプランを比較したり、欄外の級数の小さいハミダシ情報をつらつら読んだりするのが好きだった。なによりあのブ厚さが、旅行情報が満載されていることを連想させて「世界はまだまだ広い」的な感慨に浸って愉しめたのに。

2006年10月08日

おいしいシスコ

超高くて超性能がいいネットワーク機器を作っているメーカー「Cisco Systems
「シスコ」ってカタカナで書いてはいけません。子供のビスケットが思い浮かぶだけだから。

そんなエンジニアの間では泣く子も黙るCisco Systemsさんが、新ロゴを発表して、ブランド認知度向上キャンペーンをやっている。コンシューマ向けに事業転換を図りつつ、ブランドイメージの軌道修正が目的ようだ。
「前のロゴは分かりにくい。新しいロゴの方がシンプルでピクセルの数も少ない」だそう。

cisco_logo.gif

製品の信頼性とブランドイメージは密接に関連している。一般論だが、ルーターといった専門性の高い製品にラベリンクされているメーカーロゴは、街でよく見るナショナルブランドであってほしくないと思われることも多い。
どんな業界でも、その世界では有名なメーカーが存在する。プロユースな世界で認知度を高めるのは、コンシューマ製品の広告宣伝手法とはまったく異なるのがふつう。製造元が同じでも、製品マーケットによってブランドを使い分けることも多いけど、この場合もっとブランディングが難しくなる。
ciscoのロゴは、「高価で信頼性の高いプロユースなブランド」というイメージがある。それを捨てるのはある意味で勇気ある判断だと思う。「見えない会社の価値」が高まるためのブランドロゴ変更、それ自体がニュースになっていることだけでも十分なアドバルーン効果が期待できるし。

でもサイトを見る限り、ロゴは新しいものにかわっているけどデザインは十分お固い感じですよ。

2006年09月15日

NintendoとApple

「Wiiのある新しい生活」という概念は、アップルのハブ構想にあからさまに似ている。
任天堂の岩田社長のプレゼンを動画で見た。任天堂はApple社にあこがれでもあるのか、そう考えると筐体のデザインもAppleに似てるかもしれない。

プレゼンテーション自体は、「ロングテール」「GoogleMaps」「Ajax」といった言葉をタイミングよくいれながらわかりやすい言葉で語られていて、とてもすばらしい出来。

インターネット接続機能を前面に出して、ゲーム世代以外に利用者層を拡げようとする狙いがよくわかる。
個々の機能では、「写真チャンネル」はAppleのiPhotoに激しく似ているし、「お天気チャンネル」はGoogle Earthにそっくりだ。「似顔絵チャンネル」はいわゆるアバター機能。
ほかにも、懐かしのゲームタトルのダウンロード販売機能もある。
要は普通にマックでできることにゲーム機能をつけてパッケージングした感じ。ある意味すでに成功しているインターフェースをトレースするのはマーケティング的には王道パターンといえるだろう。

自分のように「ゲームなんかに興味ないから…」と考える人々の心に響くことができるだろうか。
現段階では買う気どころか興味もほとんどないけど、発売後の反響がとても楽しみな製品になった。

2006年09月03日

雑誌をモニターで読む

「雑誌が好き」という人は多い。
裏をかえせば「新書や単行本は読まない」ということでもあり、書籍業界的な立場からは困った現象ではあるのだろう。

雑誌の難点は、読み終わったあとにある。
ずっと残しておく人はたぶん少数派でしょう。読み捨ててしまうのが雑誌の基本スタイルだとうは思うけど、しばらく時間がたったあとに記憶を頼りに「あの雑誌のあの記事をもう一度読みたい」となることがしばしばあると捨て時が難しくなる。かといって切り抜いてスクラップブックに、なんて作業は絶対に続きはしない。

ありそうでなかったクロスメディア的サービスが日本でも本格的に始まるそうだ。
紙の雑誌を表紙から裏表紙まで、中身の広告ページも含めた全ページをデジタル化して、画面で閲覧する専用ツールをリリースするのは雑誌専門のオンライン書店「Fujisan.co.jp」。
このサイトはAmazonに似ていることでも有名。

現段階では、デジタル化技術のライセンス提供を米Zinio社と結んだというニュースだけが先行している。
ページめくり機能、ブックマーク機能、コピー防止機能などが特徴で、「Fujisan Reader」という名前が専用リーダーにはついている。


雑誌と画面のインターフェースの違いを解決するために専用のリーダーが必要というのは理解できる。
できればその専用リーダーのAPIをオープンソースにするなり、せめてASPにするとかしてフラットにしてほしい。きちんと権利と課金さえ担保できれば(そこがいちばん難しいけど)、あとは雑誌コンテンツの過去の資産も含めてどう再利用、再構築していくかは、いくらでも考えられるはず。
一方で、コンテンツ自体は版元である出版社、そしてさらに広告主や執筆者、カメラマンなどの著作物で成り立っているのだけに、出版社との交渉がスムーズにいくことを願いたい。

2006年09月02日

サイボウズ青野社長が語る広告手法

昔サイボウズを使っていたことがあって、サイボウズに当時友人もいたことからこの会社がうまく説明できないけどなにかただならぬポテンシャルをもっているにちがいないということは、3年ほど前にうすうす気づいていた。

「世界最強企業と戦う秘訣」--サイボウズ青野社長が語る成功術 - CNET Japan

これを読んで、一番記憶に残ったのサイボウズのビジネスの話ではなくて、広告の考え方の部分。

「IT系の広告は、一歩間違えると難しい言葉の羅列になってしまいます。これでは買い手に何が言いたいのか伝わりません。サイボウズにとって、これからグループウェアを勉強する人がお客さんですから、「グループウェア」以上の難しい言葉を使わないように心がけました。これから勉強する人に、それ以上難しい言葉は使ってはいけないのです」

これはその通りだ。いままでどれだけ無駄にアイディアをひねくり回し、コピー案を何十案も作り、足りないコトバを画でカバーし… いったい何を遠回りしてきたんだろう。そう思える原点、というか考え方の起点を思い知った。

「ボウズマン」というキャラを知った時は正直かなり引きましたけど、ボウズマンを主題にした冊子やコミュニティツールなどを相当お金をかけて作っていたことからも青野社長のブレていない戦略性や理念に今更ながら感銘してしまいます。

2006年08月17日

ベストサイト50

「クール」という形容詞が、はやり廃りの激しい日本では使うと恥ずかしい言葉の仲間入りになって久しいにもかかわらず、今日紹介するのは、TIME誌が選んだ「クールなWebサイト50」。
毎年恒例です。

7つのカテゴリの中から選ばれたサイトを眺めてみると、ソーシャルなんとか、とつくものがやっぱり多く、今年の最大ヒットとなった2.0サービス系からの受賞が目立つ。そりゃそうだろうな。
deliciousdays」は写真のクオリティがいい。
snap」googleカウンターのsnapが選ばれたのはうれしい。

同時に「絶対にはずせない25のサイト」も掲載された。
こちらは、Google、Flickr、Technorati、Yahoo!、Amazon.comといった、だれでも知っているメジャーサイトの定番が並んでいる。

このアワードの別の楽しみ方は、2003年から2005年まで掲載されている過去のベスト50サイトを今年のものと比べながら栄枯盛衰を懐かしむこと。「そういえばあったな〜、こんなの」と遠い目になること請け合いです。

2006年08月10日

pandela:無料Webホスティングサービス

完全無料のWebホスティングサービスがちょっとした話題になっている。いくつかあるみたいだけど、今日教えてもらったのはここ。「pandela」。

ディスク容量:50〜150MB POP3アカウント:3コ サブドメイン:有 ドメイン名:1コ SSI:有 Perl PHP MySQL コントロールパネル and more...

普通にそれなりのサービス内容になってます。独自ドメインOKで広告表示の必要がないのは珍しいです。ここよりはいいんじゃなかと。残念なのは、このエントリーを書いている時点では申し込み多数で一時的に利用登録がストップしているところ。
ドメインやディスクはいま間に合っているので、正直必要ないんだけど、無料で独自ドメインがもらえるとなると、がぜんいろいろ楽しみな使い道が思いつくから不思議だ。

どんなドメイン名にしようかな。

ただしもうすぐ有料のサービスプランも出るらく、そうなると急にサービス内容がダウンしたり、スパムまみれになったりしないかな。同じような無料ホスティング(閉鎖された)ところで痛い目にあったこともあるから、そうならないように祈りましょう。

2006年08月05日

バカ記事が雑誌から消えた

「昔の雑誌のバカ記事は面白かった。プロのライターが手間をかけてバカ度を競っていた。ところが、雑誌からそんなおもしろいバカ記事が消えて大手ポータルの連載コーナーやネットの素人ブロガーに淘汰されつつある。」といった内容の記事を読んだ。筆者(岡部 敬史さん)は元雑誌編集者らしくて、そんな元気のない雑誌界を憂いつつも、ネットのバカネタサイトの隆盛を紹介している。

短絡的に雑誌がダメでこれからはWeb。と論じているわけではないが、でも、大手が運営しているポータルサイトの独自コンテンツにも行き詰まり感を感じることは多々ある。大掛かりな取材費がかけられるはずはないし、名の知れたライターさんにおねがいするということもできにくい状況では、「バカ記事」という企画は定期モノのコンテンツとして比較的やりやすいだろう。Webというメディアの特性にもマッチしていると思う。

記事ではバカ記事サイトの代表として「デイリーポータルZ」や「Excite Bit コネタ」を掲げている。以前ネタを考え実際に記事を書いているライターさんに話を聞いてみたことがある。ところがネットだからやりやすい、あるいは勢いがある、という感想は出てこなかった。雑誌もWebもあまり状況に変わりはないという。

課題はメディア側にあるのではなく、コンテンツをつくる側にあるのだろう。
目的はなにか? 獲得目標は? ビジネスモデルは?
事を成すためにはどんなメディアだってラクじゃないんだと、当たり前のことを思うばかり。

2006年08月04日

ほぼ日 糸井さんが語るWebライティング

最近、糸井重里さんが「ほぼ日」について語っているインタビューをよく目にするけど、なにかあったんですか?
ちょと前のインタビュー記事を当時読んだのを思い出して引っ張りだしてきた。

Webライティング(書くほう)の重要性を語っている。
さすが、Webというメディアの特性を早い時期から見抜いていらっしゃいます。

どうやったらWebで読みやすいページが作れるか。試行錯誤した結果が、1行27文字。
新しい文体も作って、読者との距離感をきちんと計算した。「ですます」と「だ、である」は確信的に混在させたり。
Webライティングではよく使う意図的なユルさの演出ですね。